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【元ドラッグストアー店長が語る】化粧品店頭販促の落とし穴!「前だれPOP」が売場で生き残るための究極対策

  • 執筆者の写真: シンジ 福森
    シンジ 福森
  • 6 日前
  • 読了時間: 7分

【元店長が語る】化粧品店頭販促の落とし穴!「前だれPOP」が売場で生き残るための究極対策


カオス状態のこぼれどめ棚レール
カオス状態のこぼれどめ棚レール

はじめに:その化粧品販促POP、本当に顧客に届いていますか?

化粧品メーカーの販促ご担当者様。渾身の力を込めて制作された紙什器やカウンター什器に取り付けた**「前だれPOP(フロントPOP)」**が、店頭でいつの間にか姿を消していたという経験はありませんか?

「ターゲット顧客に響くキャッチコピーを練りに練ったのに…」

「商品の魅力を最大限に引き出すデザインを追求したのに…」

「売場で一番目立つ場所に設置されるはずだったのに…!」

もしかしたら、その前だれPOPは、**店頭スタッフにとって“邪魔な存在”**になっているのかもしれません。

本稿では、元ドラッグストア店長として10年間現場に立ち、数多くの化粧品什器店頭販促ツールを見てきた私・福森が、そのリアルな実態と、売れるコスメのための「前だれPOP」を作るための本質的な解決策を徹底的に解説します。プロモーション効果を最大化し、化粧品の売上アップに繋げるためのヒントが満載です。



なぜ化粧品の前だれPOPは店頭で“消える”のか?──現場のリアルな事情と優先順位

まず、化粧品店頭販促における「前だれPOP」の現状を理解するために、店頭スタッフの日常業務における優先順位を把握しておく必要があります。



ドラッグストア店員の主な業務タスク(優先度順)

  1. 商品の品出し(納品された化粧品やその他商品の陳列作業)

  2. 前出し(売れた商品の補充、陳列スペースの整理)

  3. 清掃・補充・返品処理(店舗内外の清掃、テスターや販促物の補充、返品作業)

  4. 棚替え(新商品の入荷に伴う陳列レイアウトの変更)

  5. 発注作業(ハンディスキャナー等を用いた商品発注業務)

  6. POP貼り替え(週ごとのキャンペーンや価格変更に伴うPOPの交換)


上記のタスクを、限られた時間の中で効率的にこなすことが、店頭スタッフにとって最も重要なミッションです。特にパートタイムのスタッフが多い現場では、時間との戦いと言っても過言ではありません。


このような状況下で、「前だれPOP」はどのように扱われてしまうのでしょうか?

  • 発注スキャンの妨げになる:バーコードが隠れてしまい、発注作業の効率を著しく低下させるため、即座に撤去の対象となります。

  • 棚からの落下防止レールへの干渉化粧品が陳列された棚には、落下を防ぐためのレールが設置されていることが多く、前だれPOPがこのレールに干渉すると、無理やり押し込まれたり、外されたりします。

  • 共通プライスカードとの干渉:多くの場合、商品の前には店舗共通のプライスカードが設置されます。前だれPOPがこのプライスカードと重なったり、見えにくくしたりすると、「結局どれが商品名でどれが価格なのか分からない」という混乱を招き、結果として外されてしまいます。



このように、化粧品メーカーが期待するプロモーション効果とは裏腹に、現場では前だれPOPが作業効率を阻害する要因として認識されてしまうことが多いのです。



AI画像生成のイメージです。
AI画像生成のイメージです。

販促担当者が知っておくべき“現場の心理”

化粧品メーカーの販促担当者は、「この前だれPOPで商品の魅力が伝わり、売上がアップするはず!」という期待を込めて制作します。しかし、店頭スタッフの最優先事項は「いかに効率的に日々の業務をこなすか」です。



  • 「POPがあるとスキャンに時間がかかる」:一つ一つの商品を発注する際に、前だれPOPをめくったり、避けたりする手間は、積み重なると大きな時間ロスにつながります。

  • 「値札(ショーカード)のセットに手間取る」:前だれPOPを取り付けた後で、さらに商品の価格を示す値札を設置する必要がある場合、「POPが邪魔で値札が付けにくい」と感じられ、結果的にPOPが敬遠されます。


つまり、化粧品の売上向上を目指すメーカー側の意図と、日々の業務効率を重視する現場側のニーズとの間に、大きなギャップが存在しているのです。この構造的な問題を理解しない限り、効果的な店頭販促は実現しません。



リバティープロが提案する「外されない前だれPOP」設計術

長年の現場経験と什器開発のノウハウを持つリバティープロだからこそ提案できる、「店頭で生き残り、売上に貢献する前だれPOP」の設計術をご紹介します。


  1. スキャン作業を妨げない「跳ね上げ式」設計:ハンディスキャナーを用いた発注作業を考慮し、前だれPOPがバーコードを遮らない設計が不可欠です。跳ね上げ式のPOPや、透明フィルム素材を採用し、POPをめくらなくてもバーコードを読み取れるように工夫することで、現場のストレスを軽減します。


  2. 「差し込み前提」の絶妙なサイズ設計:多くの店頭では、化粧品の落下を防ぐための棚レールが設置されています。このレールに前だれPOPが差し込まれることを前提に、POPのサイズを最適化します。レールにスムーズに収まり、かつ商品の情報をしっかりと訴求できるサイズ設計が重要です。


  3. 前だれPOPへの「プライスホルダー」内蔵:「値札を別途用意し、セットするのが面倒」という現場の声を反映し、前だれPOP自体にU字型のペットレールなどのプライスホルダーを組み込みます。これにより、値札を別で用意する手間が省け、POPと値札が一体化することで視認性も向上します。


  4. あえて「前だれPOPなし」という選択肢:最近の化粧品売場では、高さ50mm程度の土台を設け、そこにブランドロゴや商品名を中央に配置する什器も見られます。前だれPOPを無理に取り付けるのではなく、商品の前面をPOPアップさせるなど、別の方法で注目を集めるプロモーション戦略も有効です。


「現場が使いたくなるPOP」を作るための3つの視点

結局のところ、店頭スタッフが「これは使いやすい」「これなら邪魔にならない」と感じる販促ツールこそが、真に売上に貢献するものです。そのためには、以下の3つの要素を意識した什器・POPづくりが重要になります。

  • 売れる訴求力:商品の魅力(保湿力、透明感、美白効果など)をターゲット顧客に分かりやすく伝えるメッセージ。

  • 触りたくなる工夫:テスターの設置や香りの訴求など、顧客が商品に興味を持ち、手に取りたくなるような仕掛け。

  • 邪魔にならない形状:スキャン作業の妨げにならない、組み立てが簡単で設置しやすい形状。

この3つの要素をバランス良く満たすことこそが、化粧品店頭販促を成功に導く鍵となります。


差し込み前提で設計された前だれPOP
差し込み前提で設計された前だれPOP

最後に:あなたの作った什器は“仲間”になりますか?それとも“障害物”になりますか?

化粧品販促設計の現場では、魅力的なデザインやキャッチーなコピーに注目が集まりがちです。しかし、実際に売場で商品のそばに置かれる什器やPOPが、現場スタッフにとって「助かる存在」になるか、それとも「邪魔な障害物」になるかで、その効果は大きく左右されます。



「前だれPOP」が、化粧品の売上を伸ばすための強力な“販促ツール”として機能するのか、それとも店頭で邪魔者扱いされ、最終的にゴミ箱行きになってしまうのか。その分かれ道は、化粧品メーカーと現場の視点を融合させた「共創」という考え方にあると言えるでしょう。


什器設計のワンポイント

複雑で組み立てに時間がかかる什器は、多忙なショップ店員にとって大きな負担です。毎日大量に届く什器と新商品を、限られた時間の中で効率的に陳列しなければならない現場の状況を理解することが重要です。

取扱説明書をじっくりと見て什器を組み立てる店員はごく少数です。多くの店員は、什器を箱から出し、直感的に組み立てられることを期待しています。


直感的に組み立てられない什器は、現場にとって「悪」なのです。

この現場のリアルな声をどれだけ汲み取り、設計に反映させることができるか。それこそが、私たちリバティープロのプロとしての仕事だと考えています。



難しい組み立ては時間がかかるので、後回しになるか、最悪倉庫から出されないまま終売になります。
難しい組み立ては時間がかかるので、後回しになるか、最悪倉庫から出されないまま終売になります。

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