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紙製ハンガー什器の荷重テストとは?棚のたわみを改善した製作事例

2 時間前
読了時間: 7分

ドラッグストアやドン・キホーテなどの売り場で、日焼け止めやクレンジング、ヘアケア商品を陳列する紙製ハンガー什器。限られたスペースを活用できる一方、設計時に欠かせないのが「商品の重さを継続して支えられるか」という確認です。


株式会社リバティープロでは、商品重量と陳列数に合わせて素材や構造を検討し、荷重テストで試作品の状態を確かめています。今回は、ヘアマスクを1段あたり5本陳列する什器に、1段あたり1kgの荷重を掛け、棚板と背面の構造を改善した事例をご紹介します。

3段の棚板と背面の構造を確認する紙製ハンガー什器の白ダミー

1. なぜ紙製ハンガー什器に荷重テストが必要なのか


紙製什器のコストを考えるとき、検討項目の一つになるのが紙の厚さです。紙を薄くすることはコストダウンにつながる場合がありますが、商品の重さを支えられるか、慎重に確認する必要があります。


例えば、1本150gの商品を1段に6本並べると、商品だけで900gになります。小さなボトルでも、まとめて陳列すれば棚には1kg近い荷重が掛かります。段数が増えれば、什器全体や取り付け部分が受ける重さも増えていきます。


また、商品を載せた直後に形を保っていることと、その状態を維持できることは別です。時間の経過とともに棚がへたったり、傾いたりすることがあります。


リバティープロでは、荷重を掛け続けたときにどの部分に変化が出るのかを確認します。試作段階で弱点を見つけ、店頭での使用に向けて改善することが、荷重テストの目的です。


2. 強度設計は、商品重量と陳列数の確認から


ハンガー什器の強度設計は、商品の情報を整理するところから始まります。特に重要なのは、商品1個の重量、1段あたりの陳列数、棚の段数、設置場所です。


同じサイズ感のパッケージでも、中身や容器によって重量は変わります。日焼け止めやアウトバス商品と、シャンプーや柔軟剤では、必要な素材や支え方が異なる場合があります。


そのため、見た目や寸法だけで設計を進めず、「何を、何個、どのように並べるか」を確認し、各棚と什器全体に掛かる荷重を考えます。


リバティープロでは、案件に応じて、想定する荷重の1.5〜2倍程度のおもりを載せ、2〜3日ほど状態を確認する進め方を取ることがあります。この倍率や日数は一律の保証基準ではなく、商品や構造に合わせて確認条件を検討します。


3. 製作事例:ヘアマスク5本を陳列する棚に、1kgの荷重


今回の事例は、ヘアマスクを1段あたり5本陳列するハンガー什器です。荷重テストでは、1段あたり1kgを載せて状態を確認しました。


この什器には、商品を置く棚板を折り返し、背面ボードの差し込み穴に入れてロックする構造を採用していました。棚板と背面を組み合わせて商品を支え、組み立てやすさにも配慮した設計です。


ところが、最初のテストでは差し込み部分がたわみ、背面ボードの穴が引き伸ばされるように広がってきました。


商品が載る棚板の面だけを見ていると、見落としかねない変化です。棚板を支える背面側にも負担が掛かり、差し込み部分の変形につながっていました。


なお、この事例の1kgはテストで掛けた荷重です。商品5本の実重量に対する倍率や、使用時の耐荷重を示す数値として紹介するものではありません。


4. 棚板と背面の両方を補強し、再テスト


最初の結果を受け、リバティープロでは底板の紙と、背面で棚を支える紙を厚くしました。あわせて、棚ごとに背面の構造を調整しました。


テストは2回ほど繰り返し、補強後は2日間、状態を確認。最初に見られた差し込み部分のたわみや、穴が広がるような変化は見られませんでした。


この事例から分かるのは、紙製什器の強度は、底板の厚さだけで決まるわけではないということです。商品が載る面、その面を支える差し込み部分、荷重を受け止める背面。それぞれの関係を見ながら改善する必要があります。


底板だけを厚くしても、背面側の弱点が残る可能性があります。実物に荷重を掛け、変化が出た場所を確かめることで、補強する箇所を具体的に絞り込めます。


今回の結果は、この試作品と荷重条件で確認できたものです。実際の使用期間や設置環境も踏まえ、素材と構造を検討していきます。


5. 重い商品の設計と、湿度・乾燥への配慮

紙製ハンガー什器の背面に取り付けたひも・金具と白い樹脂製パーツ

リバティープロでは、商品に合わせて複数の構造パターンを使い分けています。シャンプーや柔軟剤などの重い商品では、紙の厚さに加え、段ボール系の素材への変更や、売り場への取り付け方法も検討します。


例えば、ひもと金具のフックを使う方法のほか、背面に樹脂製のS字パーツを組み合わせ、店頭のサイドネットに取り付ける方法があります。柔軟剤の什器では、こうしたパーツを使うケースがあります。


各棚が商品を支えられることに加え、什器全体を支える仕組みまで考えることが大切です。


また、日本の店頭では、季節や空調によって湿度や乾燥の状態が変わります。リバティープロが紙什器の設計で気に掛けているのは、こうした環境の変化です。製作現場では、湿気や乾燥に伴う紙の状態の変化も、へたりやゆがみを考えるうえでの検討事項になります。


今回の荷重テストは、温湿度を変えて耐久性を確認した試験ではありません。荷重テストで確認できた結果と、設計時に考慮する環境条件を分けて捉えています。


6. 表面加工とコスト、店頭サイズ、配送のバランス


紙の表面加工も、使用環境と予算を踏まえて検討する項目です。例えば、表面にフィルムを貼るPP加工を採用するか、ニスなどの塗工による仕上げにするかで、仕様や費用は変わります。


表面の保護を考えて加工を追加すれば、その分の費用も必要になります。一方で、コストを抑えるために加工を変える場合には、その仕様に合わせて素材や構造も検討しなければなりません。表面加工だけに頼らず、荷重を受ける部分の設計と組み合わせて考えます。


さらに、強度と同時に、店頭に収まるサイズや配送のしやすさも大切です。リバティープロのハンガー什器では、設置場所に合わせ、高さ500〜800mm程度の範囲で検討することがあります。


発送時の荷姿が大きくなりすぎないよう、二つ折りにできる仕様を検討する場合もあります。その際は、折り畳みやすさと、組み立て後に商品を支えられることの両立が必要です。


必要な部分を補強し、商品の重さに合う構造を選ぶ。こうした調整を重ね、強度・コスト・使いやすさのバランスを考えた提案を行っています。


7. 紙製ハンガー什器の製作はリバティープロへ

3段の紙製ハンガー什器の白ダミーと商品を陳列した状態

紙製ハンガー什器の設計・製作をご相談いただく際は、商品サイズと重量、1段あたりの陳列数、棚の段数、設置場所、使用予定期間、製作数量をお知らせください。情報がそろうほど、素材や構造、必要な検証を具体的に検討できます。


「重いボトル商品を陳列したい」「コストを抑えたいが、棚のへたりが心配」「組み立てや発送の負担も減らしたい」。そのような課題に、株式会社リバティープロは、商品の特性に合わせた紙製什器の設計・製作をご提案します。


売り場で商品を魅力的に見せるためには、その商品を支える構造が欠かせません。見えにくい背面や差し込み部分まで確かめ、必要な改善を重ねること。それも、リバティープロが大切にしている什器づくりの一つです。


この記事を書いた人


株式会社リバティープロ 代表取締役 福森 眞二


ドラッグストア勤務10年、化粧品会社での営業5年、印刷会社でのSPツール制作経験を経て、2011年に株式会社リバティープロを創業。化粧品・ヘアケア商品の店頭販促を中心に、什器の企画・デザイン・製造を手がけています。


強みは、売り場での経験と、ものづくりの現場で培った知識を組み合わせた什器提案。商品の魅力を伝えるデザインに加え、商品重量に応じた素材・構造の選定、荷重テストによる検証、組み立てや配送のしやすさまで考え、ブランドと店頭の双方に向き合った什器づくりに取り組んでいます。


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