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タイのドラッグストア視察で分かった「小容量コスメ」と「歯科矯正ブーム」の衝撃。什器・販促物から紐解く日本市場の次の一手

  • 6 時間前
  • 読了時間: 5分

タイ・バンコクのドラッグストアを訪れると、日本の売場とは明らかに異なる「熱量」と「ロジック」に圧倒されます。私たち株式会社リバティープロは、什器・販促物のプロフェッショナルとして、この「違い」の中に、今後の日本市場が進化すべきヒントを確信しました。

今回の視察で特筆すべきは、「小容量コスメの多様化」、そして日本の10倍もの面積を占める**「オーラルケアコーナー」の背後にある強烈なステイタス意識**です。

本コラムでは、タイの文化・経済背景から、日本の販促戦略が学ぶべき「攻め」の姿勢を分析します。


1. 「試す」のハードルを極限まで下げた「小容量パウチコスメ」の戦略

タイの売場で最も目を引くのは、フック什器にびっしりと並んだキャップ付きのパウチ型コスメです。

なぜスキンケアだけでなく「色物」までパウチ化するのか

日本ではパウチ=試供品という概念が強いですが、タイではファンデーション、リップ、アイブロウといった「色物コスメ」までがパウチ販売されています。

  • 低単価でのトライアル: 1つ49〜79バーツ(約200〜300円)程度。所得格差がある中で、若年層が「失敗を恐れずトレンドを試せる」仕組みが什器単位で完成しています。

  • 「持ち歩き」という付加価値: 小さく軽いパウチは、外出先でのメイク直しや旅行にも最適。販促物でも「利便性」と「最新トレンド」がセットで訴求されています。

什器設計への示唆:ブランドよりも「効果と価格」

タイの什器は、ブランドの世界観を構築するよりも、「何ができるか(効果)」「いくらか(価格)」をダイレクトに伝える設計になっています。これは、情報過多な現代において、消費者の意思決定を助ける「親切な什器」の究極の形と言えるでしょう。



2. 歯科矯正は「ファッション」。オーラルケア市場が巨大化する真の理由

日本の約10倍とも感じられる広大な歯磨き粉・オーラルケアコーナー。その背景には、タイ独自の「歯に対する美意識」があります。

歯科矯正(ワイヤー矯正)はステイタスシンボル

タイの若者の間で、ワイヤー矯正は単なる治療ではありません。

  • 富の象徴: 矯正治療は高額(月収の数倍)であるため、矯正装置をつけていること自体が「中流階級以上である」「親に経済力がある」というステイタスになります。

  • 魅せるファッション: 装置を固定するゴム(Oリング)の色をカラフルに選び、アクセサリー感覚で楽しむ文化があります。あえて「見せる」ための矯正。このポジティブな姿勢が、オーラルケア市場全体を押し上げています。

「美容カテゴリー」としての歯磨き粉

この文化背景により、歯磨き粉は「日用品(Hygiene)」ではなく、完全に「美容(Beauty)」の一部として扱われています。

  • ホワイトニングの細分化: 什器には「劇的な白さ」を謳うPOPが踊り、成分ごとに棚が分かれています。

  • 矯正者専用ケアの充実: 矯正装置があっても使いやすい特殊ブラシや洗浄剤が、専用の販促物と共に目立つ位置に配置されています。


3. 日本とタイ:文化・経済背景の比較から見る「未来の兆し」

項目

タイの現状

日本の現状と今後

購入スタイル

都度購入・小容量・高回転

まとめ買い・大容量・低回転(から変化中)

美容の優先順位

歯・肌・SNS映え(視覚的ステイタス)

肌・髪・清潔感(目立たない美しさ)

所得と消費

低〜中所得層の「背伸び消費」が活発

若年層の可処分所得減少による「選別消費」

什器・販促物

機能・価格重視の「攻め」の設計

ブランド維持・情報の「静かな」設計

日本でも、物価高や若年層の所得減により、「一度に数千円を出す本品購入」への抵抗感が強まっています。タイのパウチコスメ戦略は、今の日本が抱える「コスパ・タイパ重視」のニーズに対する解法となるはずです。



4. 今後の日本市場に活かすべき「3つの販促戦略」

リバティープロがタイ視察から導き出した、日本の什器・販促物が進化すべき方向性です。

① 「マイクロ・ラグジュアリー」什器の提案

小容量(パウチやミニサイズ)を単なる「安物」として見せない工夫が必要です。

  • 戦略: ミニサイズ専用の高級感あるアクリル什器や、LEDを仕込んだアイキャッチ性の高い販促物。

  • 効果: 「自分へのご褒美」を低単価で叶える、新しい衝動買い導線を作ります。

② 美容の定義を広げる「トータルビューティー什器」

歯磨き粉コーナーの盛り上がりを日本に持ち込むには、既存の「日用品売場」から「化粧品売場」へとオーラルケアを越境させる必要があります。

  • 戦略: リップやファンデーションと同じ棚に、ホワイトニングケアや口元美容のアイテムを混在させる什器提案。

  • キーワード: 「口元もメイクの一部」というメッセージを販促物で打ち出します。

③ 「魅せる」を肯定するストーリーテリング

タイの矯正文化のように、コンプレックスを隠すのではなく「ケアしていること自体が美しい・カッコいい」という価値観を売場で演出します。

  • 戦略: 悩み解決(マイナスからゼロ)ではなく、自己投資(ゼロからプラス)を強調するPOPデザイン。


結論:什器・販促物は「文化の翻訳機」である

タイの売場で感じた活気は、消費者の「こうなりたい」という欲望に、売場が全力で応えているからこそ生まれるものです。

小容量コスメは、消費者の「試したい」という不安を「ワクワク」に変えます。

巨大なオーラルケアコーナーは、消費者の「美しくありたい」というプライドを刺激します。

私たち株式会社リバティープロは、単に商品を並べる棚を作るのではなく、その国の文化や生活習慣を読み解き、「今、この瞬間に消費者が動く理由」を什器という形に翻訳します。

タイの熱量を日本へ。そして、日本の繊細なモノづくりを新しい売場形態へ。

什器・化粧品・コスメ販促の未来は、既成概念を打ち破る「試しやすさ」と「ステイタスの再定義」から始まります。



什器設計・販促物制作のご相談は、今のトレンドを熟知した弊社までお寄せください。

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