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2025年AW化粧品販促什器トレンド最前線|低コスト×高購買効果を実現する什器戦略とは?

  • 執筆者の写真: シンジ 福森
    シンジ 福森
  • 7月16日
  • 読了時間: 12分
テスターを全面にアピールしている。タッチした人の購買率がどれだけ高いか!!
テスターを全面にアピールしている。タッチした人の購買率がどれだけ高いか!!

こんにちは。株式会社リバティープロ代表の福森です。

いよいよ2025年秋冬(AW)シーズンが目前に迫ってきましたね。



化粧品業界の皆様は、来たる商戦に向けて、販促計画の最終調整に余念がないことと思います。特に、店頭での化粧品販促を左右する什器は、その成否を分ける重要な要素です。


今年は、原材料費や物流費の高騰が続く中、「いかにコストを抑えつつ、最大限の購買効果を生み出すか」が什器戦略の最重要課題となっています。


紙什器アクリル什器のコスト見直しが加速する一方で、吊り下げハンガー什器カウンター什器といった定番什器の活用方法にも新たな潮流が見られます。



本コラムでは、長年化粧品販促什器に携わってきた私の視点から、2025年AWシーズンの什器トレンドを現場の“生の声”と共にお届けします。




前だれをつけていない什器
前だれをつけていない什器

徹底解説!2025年最新版紙什器の最適化戦略

“削るべきコスト”と“残すべき価値”の見極め方


近年、環境配慮とコスト削減の両面から、紙什器への注目度が再燃しています。


しかし、単に安価な紙什器を導入すれば良いというわけではありません。いかに「低コスト高インパクト」を実現するか、その紙什器最適化の具体的な戦略について掘り下げていきましょう。


紙什器表面加工の常識を覆す|「ニスすら省略」が主流になった理由


かつて化粧品販促用の紙什器といえば、PP貼りやプレスコートといった表面加工による光沢感や高級感が不可欠とされていました。


これらは商品の魅力を引き立て、消費者に高品質な印象を与えるための重要な要素でした。しかし、2025年に入り、紙什器の表面加工に関する常識は大きく変化しています。


驚くべきことに、現在ではニス引きすら省略するブランドが主流となりつつあります。


この劇的な変化の背景には、UV印刷技術の飛躍的な進化があります。

UV印刷は、インクを紫外線で瞬時に硬化させるため、乾燥時間が大幅に短縮されるだけでなく、印刷面の耐久性と発色が格段に向上しました。


これにより、特殊な表面加工を施さなくても、紙什器本来の素材感を活かしつつ、十分な見た目の美しさと品質を保つことが可能になったのです。

つまり、今の時代において「加工を減らす」ことは、単なるコスト削減に留まりません。


紙什器本来の素材感を活かしたミニマルなデザインは、洗練されたブランドイメージを演出し、サステナビリティへの配慮を示すことにも繋がります。私たちは、化粧品ブランドの魅力を最大限に引き出しながら、無駄なコストを徹底的に排除する紙什器の提案に注力しています。



シャンプーコーナーの香り見本にはヒモとクリップが消えてきた
シャンプーコーナーの香り見本にはヒモとクリップが消えてきた

化粧品店頭販促の新たな潮流/香り見本の変革と“クリップと紐”が消えた理由


化粧品、特にフレグランスや香り付きの製品にとって、香り見本はこれまで店頭販促における“必須アイテム”でした。


消費者が実際に香りを体験し、五感に訴えかけることで購買意欲を高める重要な役割を担っていました。しかし、この香り見本の什器形態も、今、大きな転換期を迎えています。


「売場の景観」と「コストダウン」を両立させる什器デザインの追求


従来の香り見本は、紐やクリップで商品サンプルをこぼれどめのレール部分や、カウンター什器吊り下げ什器の脇に吊るすスタイルが一般的でした。しかし、この手法には複数の課題がありました。



  1. 売場の見栄えが煩雑になる: 多くの香り見本が什器からぶら下がっていると、化粧品の美しい陳列を妨げ、店頭全体の景観を損なう要因となっていました。特にハイエンドな化粧品ブランドにとっては、洗練された空間演出がブランドイメージに直結するため、この点は看過できない問題でした。

  2. 什器コストの増加: 紐やクリップといった部材コストに加え、定期的なサンプル交換やメンテナンスにかかる手間と費用も無視できません。原材料費や物流費の高騰が続く中で、化粧品販促においても、あらゆるコストの最適化が求められています。


こうした背景から、多くの化粧品ブランドが、従来の香り見本什器から脱却し、よりスマートで効率的な販促手法へとシフトしています。


例えば、什器内に小型のムエットを収納するスペースを設けたり、QRコードで商品の香りの世界観をデジタルコンテンツで表現したりするなど、多角的なアプローチが試されています。


これは単なるコスト削減だけでなく、「香り」というブランド体験をより洗練された形で提供するための、化粧品販促における新たな挑戦と言えるでしょう。私たちリバティープロは、什器デザインを通じて、売場の美観とコスト効率を両立させるソリューションを追求し続けています。


ハンガー什器
ハンガー什器

低コストで高認知度を実現!吊り下げハンガー什器化粧品販促の“二手目戦略”として最強たる所以


店頭販促において、消費者の注意を引きつけ、購買行動へと繋げるためには、多角的なアプローチが不可欠です。

メインのカウンター什器で強力な訴求を行う一方で、低コストで持続的な認知効果を発揮する什器の存在が、ますます重要になっています。

その筆頭が、吊り下げハンガー什器です。


狭小スペースでも化粧品が売れる!ザイオンス効果を活かした“視覚のバトン”戦略


吊り下げハンガー什器は、その名の通り、天井や陳列棚から吊り下げて使用する什器であり、設置スペースを取らない点が最大の特長です。この省スペース性こそが、化粧品コーナーだけでなく、レジ横や通路といった限られた空間での販促に絶大な効果を発揮する理由です。


化粧品ブランドの店頭展開では、新商品や主力商品をカウンター什器やボックス什器で大々的に打ち出すのが一般的です。これは、消費者の目に留まり、強い第一印象を与えるための“一手目”の戦略と言えます。しかし、発売から時間が経過したり、新たな商品が導入されたりすると、どうしても既存商品の視認性は低下しがちです。


ここで吊り下げハンガー什器が“二手目の販促ツール”として真価を発揮します。メイン什器から一段落ちた後もブランド認知を維持するために、吊り下げハンガー什器を導入するのが、化粧品業界における鉄板の販促パターンなのです。


これは、心理学で言う「ザイオンス効果(単純接触効果)」を最大限に活かした戦略です。

消費者は、無意識のうちに何度も目にすることで、その化粧品やブランドに対して親近感を抱き、好意度を高めていきます。


狭いスペースでも視認性を保ち、継続的に消費者の目に触れさせることで、購買率を維持・向上させることが可能になります。



「商品が目立たなくなる前に、視覚のバトンを渡す」



これこそが吊り下げハンガー什器の重要な役割です。メイン什器では表現しきれない商品の多角的な魅力を伝えたり、関連商品をさりげなく提示したりすることで、アクリル什器紙什器などの主力什器と連携し、店頭での販促効果を最大化することができます。


私たちは、お客様のブランドが店頭で常に輝き続けるための「二手目戦略」を、吊り下げハンガー什器を通じて強力にサポートいたします。


化粧品什器の色校正における新常識|「1回校正&PDFチェック」が示す効率化の波


化粧品什器製作において、ブランドイメージを正確に表現するためには、色の再現性が極めて重要です。特に紙什器アクリル什器の場合、わずかな色味の違いが、ブランドの世界観や商品の高級感を損なうことにも繋がりかねません。


これまで、色校正は複数回行うのが常識とされてきましたが、このプロセスもまた、大きく変化の波に晒されています。


短納期化とコスト高騰への対応|「不器用なまでに、心配性。」が信頼を生む


以前は、化粧品販促用の什器制作において、2~3回の色校正を行うのが一般的でした。これは、印刷物の色味を細かく調整し、お客様が納得のいくまで修正を重ねることで、理想の色を追求するための時間とコストを惜しまない姿勢の表れでした。



しかし、現在は資材費や印刷費の高騰、そして市場のスピードアップに伴う短納期化の要求により、この常識は変化しています。


現在では、1回の出力確認後、PDFでの最終確認へと移行するブランドが増加傾向にあります。複数回の色校正は、その都度コストが発生し、納期も長引くため、限られた予算と時間の中で最大限の成果を出すためには、より効率的なプロセスが求められるようになったのです。


もちろん、色の再現性へのこだわりを捨てるわけではありません。当社リバティープロでは、お客様のご要望と現場の状況を鑑みながら、必要に応じて「勝手に簡易校正を出力」してでも、色味の不安を解消しようとします。お客様からは「ここまでしてくれるのか」と驚かれることもありますが、これは私たちの「不器用なまでに、心配性」な性格ゆえ。



ですが、それこそが現場で信頼される所以でもあると信じています。化粧品というデリケートな商品を扱う販促什器においては、たとえコストや納期が厳しくとも、品質への妥協は許されません。お客様が安心して什器を店頭に送り出し、それが最終的な購買効果へと繋がるよう、私たちは常に最善を尽くしています。


カウンター什器の永遠の課題|「前だれPOP」が店舗で外される本当の理由と解決策


化粧品の店頭販促において、ブランドの顔とも言えるのがカウンター什器です。商品を美しく陳列し、ブランドの世界観を表現する上で、そのデザインは非常に重要な役割を担います。

しかし、このカウンター什器には、長年にわたる“永遠の課題”が存在します。それが、什器前面に取り付ける「前だれPOP」に関する問題です。


「邪魔な紙」から「必須の販促ツール」へ|現場目線のデザインで解決


2025年現在、「前だれPOP」が店舗スタッフによって外されたり、裏に差し込まれたりする現象が頻発しています。

このPOPは、商品の詳細情報やプロモーション内容を伝える上で、非常に有効な販促ツールであるはずです。

しかし、なぜ現場では“邪魔者”扱いされてしまうのでしょうか。

その背景には、以下のような店舗側のリアルな事情があります。



  1. 発注バーコードが読み取れない: POPが商品のバーコードを覆い隠してしまい、レジでのスキャンや在庫管理の際に手間がかかることがあります。これは、店舗スタッフの業務効率を著しく低下させる要因となります。

  2. 商品補充の邪魔になる: 商品を補充する際に、POPが物理的に邪魔になり、スムーズな陳列作業を妨げることがあります。特に化粧品は新商品の入れ替わりも頻繁であり、効率的な作業が求められます。

  3. 共通プライスカードが優先される: 店舗によっては、独自の共通プライスカードを使用しており、ブランドが提供する前だれPOPよりも、そちらの表示が優先される場合があります。これにより、POPが二重になってしまったり、取り外されてしまったりするのです。



つまり、「前だれPOP=販促ツール」であっても、現場では“邪魔な紙”と認識されてしまうのが現実です。

私たち什器屋の使命は、このブランド側と店舗側のギャップを、什器デザインで埋めることだと考えています。

現場で本当に使われ、かつ化粧品の魅力を最大限に引き出すデザインとは何か。現在も、簡単に着脱可能で、バーコードを隠さず、かつ美観を損なわない新たなPOP構造の実験を繰り返しながら、この永遠の課題に対する答えを探し続けています。




結論 “売れる什器” を創るために化粧品販促に真に必要なこととは?


ここまで、2025年AWシーズンにおける化粧品販促什器の最新トレンドと、現場で起きているリアルな課題、そしてその解決策についてお話してきました。では、お客様のブランドが店頭で最大限のパフォーマンスを発揮し、“売れる什器”を創るために、本当に必要なことは何でしょうか。




  • 加工を減らしても、見映えは維持できる: 最新の印刷技術を最大限に活用し、無駄な表面加工を省略することで、コストを抑えつつ、紙什器アクリル什器の品質とブランドイメージを維持することが可能です。


  • 吊り下げハンガー什器は低コスト×認知継続の鍵:** メインのカウンター什器だけでは補えない店頭の狭小スペースにおいて、吊り下げハンガー什器ザイオンス効果を活かし、持続的なブランド認知と購買意欲向上に貢献します。


  • 色校正も、やりすぎず工夫する: 短納期化とコスト高騰の時代において、色校正の回数を効率化しつつも、簡易校正などの工夫で品質への不安を解消する「不器用なまでの心配り」が信頼を生みます。


  • 前だれPOPは“現場目線”の設計が命: 店舗スタッフの業務を妨げず、かつ化粧品の魅力を最大限に引き出す什器デザインが不可欠です。現場の声を吸い上げ、使いやすさと販促効果を両立させる工夫が、什器の命運を分けます。


リバティープロが提供する「売れる什器」の価値

雪肌精 まるで本物の氷
雪肌精 まるで本物の氷

株式会社リバティープロでは、化粧品販促に特化した什器の企画・デザイン・製造を一貫して行っています。私たちは、単にモノを作るだけでなく、お客様のブランドが店頭で最大限に輝き、確実に購買へと繋がるための「売れる理由」と「選ばれる理由」を徹底的に追求します。



長年の現場での知見、綿密な店頭導線分析、そして過去5000件以上の豊富な実績を活かして、「ブランドの世界観と販促成果を両立する什器」をご提案します。吊り下げ什器、紙什器、アクリル什器、カウンター什器など、あらゆる形状の什器において、私たちは常に“売れる理由”と“選ばれる理由”を両立させることにこだわり、お客様のビジネスの成功に貢献します。


最後に|あなたの什器には“愛”がありますか?

徹底して分析をしてデザインの方向性を決めていきます
徹底して分析をしてデザインの方向性を決めていきます

什器は、単なる陳列道具ではありません。

それはブランドの世界観を伝える最後の一歩であり、消費者の心を動かし、購買へと導く決定的なトリガーです。


私たちが什器を企画・デザインする際に、常に自問自答していることがあります。



「その什器で、お客様は化粧品を買ってくれるのか?」



「そのデザインは、消費者の感情を動かすことができるのか?」



この問いに本気で向き合い続けること。そして、お客様のブランドが店頭で最高のパフォーマンスを発揮できるように、細部にまでこだわり抜くこと。

それが私たち株式会社リバティープロの使命です。



化粧品什器のご用命は、ぜひリバティープロまでお気軽にお声がけください。店頭という“戦場”で、あなたのブランドの“勝てる武器”を、私たちと一緒に創っていきましょう。





株式会社リバティープロ|代表取締役 福森眞二

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